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【2025年】10月~11月の台風被害に備える!企業の課題と被災支援制度

近年の気候変動により、10月・11月の秋の台風は大型化し、中小企業にとって操業停止や設備損壊といった深刻な被害をもたらすリスクが高まっています。

本記事では、過去の被害事例をもとに、企業が直面する具体的なリスクを解説します。さらに、被災を未然に防ぐための止水板設置に対する補助金や、被災後の資金繰りを助ける経済産業省の「被災中小企業支援措置」(災害復旧貸付、セーフティネット保証4号など)を、具体的に紹介します。

事前の備えと、万が一被災した際の迅速な復旧に役立つ実務直結の情報をまとめています。台風シーズンの今こそ、事業継続のための対策と支援制度の理解を深めておきましょう。

 

10月から11月にかけての秋は、日本において台風被害が集中する時期です。

近年は大型化・被害が大きくなる傾向にあり、中小企業にとって浸水や設備が壊れることで操業停止は経営を揺るがす深刻な問題となっています。しかし実際に被災してから支援制度を調べ始めても、申請期限や要件を満たせず活用できないというケースも少なくありません。この記事では、10月・11月の台風シーズンに備えて企業が知っておくべき被災リスクと、被災前後で活用できる具体的な支援制度についてわかりやすく解説します。止水板設置に利用できる補助金や経済産業省による被災中小企業支援措置など、実務に直結する情報をまとめていますので、事前の備えと迅速な復旧対応にお役立てください。

 

1. はじめに|近年増える秋の台風被害と企業への影響

日本では毎年、台風による甚大な被害が発生しており、特に10月から11月にかけての秋季は、企業活動に深刻な影響を及ぼす台風が襲来する時期としてのイメージが強いかと思います。近年の気候変動により、台風の大型化や進路予測の難しさが増しており、中小企業を中心に事業継続に関わる重大なリスクのひとつとなっています。

1. 1 秋は台風被害のピークシーズン

台風の発生は7月から10月にかけて集中しますが、特に9月から10月にかけては日本列島に接近・上陸する台風の数が最も多くなる時期です。気象庁のデータによると、10月に日本へ接近する台風は年平均で約3個、11月でも約1個が記録されています。

秋季の台風が企業に与える影響が大きい理由として、以下の特徴が挙げられます。

 

特徴企業への影響
台風の大型化・強力化工場や倉庫などの建物被害、設備損壊の規模拡大
秋雨前線との相互作用長期間にわたる豪雨による浸水被害、土砂災害の増加
進路の多様化従来想定していなかった地域での被害発生
高潮の発生リスク沿岸部の工場・物流拠点の浸水被害

 

また、10月から11月は多くの企業にとって下半期の重要な時期に当たります。年末商戦や決算に向けた生産活動が活発化する中で台風被害に遭うと、売上機会の損失や納期遅延などの二次的な影響が事業全体に広がるリスクがあります。

1. 2 10月・11月に発生した過去の大型台風被害事例

過去には10月から11月にかけて、企業活動に甚大な被害をもたらした台風が複数発生しています。これらの事例は、秋季の台風が決して軽視できない脅威であることをみなさんに知らしめています。

発生年月台風名主な被害状況
2019年10月令和元年東日本台風(台風19号)東日本を中心に記録的な豪雨。製造業の工場浸水、

物流網の寸断により多数の企業が操業停止。

水害被害額は約1兆8,800億円(統計開始以来最大)

2019年10月台風21号台風19号の直後に襲来。

復旧作業中の企業に追い打ちをかける形で被害が拡大

2004年10月台風23号西日本から東日本の広範囲で暴風雨。

工場や店舗の浸水、停電による生産停止が相次ぐ

1990年11月台風28号11月としては観測史上最も遅い時期に本州へ上陸。

季節外れの台風として警戒が遅れ、被害が拡大

 

特に2019年の令和元年東日本台風では、中小企業を含む多数の企業を含む建物が被災し、多くの企業が長期間の操業停止が避けられない状態となりました。サプライチェーンの寸断により、直接被害を受けていない企業にも影響がおよび、全国的な経済活動の停滞につながりました。

また、近年では台風の進路が従来の予測パターンから外れるケースが増えており、これまで台風被害の経験が少なかった地域でも甚大な被害が発生するようになっております。

このため、全国すべての地域において台風への備えが求められる状況となっています。

1. 3 中小企業が直面する「操業停止」や「設備損壊」のリスク

台風による企業被害の種類は多くありますが、中小企業にとって特に深刻なのが操業停止と設備損壊のリスクです。大企業と比較して、中小企業は事業継続計画の整備や資金的な余裕が限られているため、一度被災すると事業再開までに長期間を要するケースが少なくありません。

1. 3. 1 操業停止による影響

台風による操業停止は、以下のような複合的な要因によって発生します。

  • 工場や事務所の浸水・倒壊による物理的な使用不能
  • 停電や断水などインフラ被害による生産活動の停止
  • 従業員の出勤困難や被災による労働力不足
  • 原材料や部品の調達ルート寸断による供給停止
  • 製品の配送ルート遮断による出荷不能

中小企業庁の調査によると、被災した中小企業は操業再開までに長期化するケースもあり、1カ月から数か月を必要とすることもあります。その間の売上損失や固定費負担が経営を圧迫していて特に製造業では、取引先への納期遅延が信用低下や別企業への契約変更にもつながり、復旧後も受注が戻らないという事態も発生しています。

1. 3. 2 設備損壊による経済的打撃

台風による設備被害は、企業の資金繰りに直接的な影響をあたえます。

主な被害形態としては以下が挙げられます。

 

被害の種類具体的な内容復旧の課題
建物被害屋根の破損、外壁の損傷、

浸水による内装の劣化

修繕費用の高額化、

工事業者の手配困難

生産設備の

損壊

機械装置の浸水・故障、

精密機器の水損

代替設備の確保困難、

修理や交換の長期化

在庫・製品の損失原材料や完成品の水没、汚損廃棄費用の発生、

納品遅延による違約金

IT機器・

データの損失

サーバーやパソコンの故障、

データ消失

業務システムの復旧困難、

顧客情報の喪失

 

特に資本力に限りのある中小企業では、高額な設備の修理や買い替え費用を自己資金でまかなうことが困難です。保険に加入していても、免責金額の設定や補償範囲の制限により、実際の損害額の全額が補償されないケースも多く見られます。

 

2. 被災前後に活用できる支援制度

台風による被災は企業経営に深刻な打撃を与えます。しかし、国や自治体には被災前の予防対策から被災後の復旧支援まで、段階に応じた様々な支援制度が用意されています。この章では、10月・11月の台風シーズンに向けて知っておくべき、企業が活用できる具体的な支援制度について解説します。

2. 1 止水板設置に利用できる補助金について

台風による浸水被害を未然に防ぐため、事業所の出入口や駐車場に止水板を設置する企業が増えています。止水板の設置には一定の費用がかかりますが、万が一「備えておいてよかった」という場面のために必要な水害対策の一つです。自治体によってはそれらの浸水対策設備の導入のために補助金を交付しているケースがあります。

2. 2 補助金申請の流れと注意点

止水板設置の補助金を活用する際には、申請の流れを少しでも理解しておくことが大切です。多くの自治体では、設備を設置する前に申請を行い、交付決定を受ける必要があります。設置後の事後申請は認められないケースがほとんどですので注意が必要です。

一般的な申請の流れは次の通りです。

まず、自治体の担当窓口に相談し、補助金の募集時期や要件を確認します。次に、複数の業者から見積もりを取得し、申請書類を作成して提出します。審査を経て交付決定の通知を受けた後、工事に着手し、完了後に実績報告を行います。最後に検査を受けて補助金が交付されるという流れです。

申請にあたっては、浸水想定区域内であることを示す資料や、過去の浸水実績を証明する写真等の添付が求められることがあります。また、複数年度にわたって設備を整備する場合は、全体計画の提出を求められる場合もあります。

2. 3 経産省の「被災中小企業支援措置」について

経済産業省では、台風などの自然災害によって被害を受けた中小企業や小規模事業者を支援するために、金融・保証・相談の3つの柱を中心とした支援措置※を実施しています。これらの制度は、災害救助法が適用された地域を対象に、事業の早期再建を後押しする仕組みです。

2. 3. 1 特別相談窓口の設置

被災企業がすぐに相談できるよう、日本政策金融公庫や商工中金、信用保証協会、商工会議所、よろず支援拠点などに「特別相談窓口」が設けられています。資金繰りや融資、事業再建などの相談に専門スタッフが対応し、無料で利用できます。

2. 3. 2 災害復旧貸付の実施

本政策金融公庫や商工中金では、被災した中小企業向けに「災害復旧貸付」を実施しています。低金利かつ返済条件の緩和された融資制度で、運転資金や設備資金を早期に確保できます。企業の実情に合わせ、返済期間の延長や据置期間の設定も可能です。

2. 3. 3 セーフティネット保証4号の適用

災害救助法が適用された地域では、「セーフティネット保証4号」が発動されます。これは、信用保証協会が融資額の100%を保証する制度で、売上の減少や事業停止などの影響を受けた中小企業が対象です。「保証限度額は、一般保証(通常枠)とは別枠で普通保証2億円、無担保保証8,000万円で、原則として第三者保証人は不要です。

2. 3. 4 既往債務の返済条件緩和

既に借入がある企業に対しても、返済条件を緩和する特例措置が取られます。経産省は金融機関に対し、返済猶予や担保要件の見直し、手続きの迅速化など柔軟な対応を要請しています。被災後の資金繰りに困る企業にとって、事業継続を支える重要な措置です。

2. 3. 5 小規模企業共済「災害時貸付」

中小企業基盤整備機構が運営する「小規模企業共済」では、災害時に被害を受けた契約者を対象に、原則即日で低金利の「災害時貸付」を行っています。担保や保証人は不要で、借入限度額は納付掛金に基づく計算額と1,000万円の少ない方です。罹災証明を取得すれば、スピーディーな資金確保が可能です。

2. 4 支援制度活用の実際の流れ

被災後の支援制度を効果的に活用するには、迅速な行動が求められます。まず被災直後は、被害状況の記録が重要です。建物や設備の損傷箇所を写真で記録し、在庫の被害状況をリスト化しておきます。これらの資料は、後の支援申請で必要となります。

次に、市町村の窓口で罹災証明書の交付申請を行います。罹災証明書は、災害関係保証や補助金申請の際に必要となる重要な書類です。並行して、特別相談窓口や商工会議所に相談し、自社が利用できる支援制度を確認します。

資金繰りが急を要する場合は、まず災害関係保証や災害復旧貸付の申請を優先します。金融機関や信用保証協会への申請には、事業計画書や被害状況を示す資料が必要となるため、早めに準備を進めることが重要です。

施設や設備の復旧については、グループ補助金や小規模事業者持続化補助金の活用を検討します。これらの補助金は公募期間が限定されているため、募集開始の情報を見逃さないよう注意が必要です。

 

3. まとめ

10月・11月は台風が日本列島に接近しやすい時期であり、企業にとって大きなリスクとなります。過去には令和元年東日本台風(台風19号)や平成29年台風第21号など、秋の台風によって多くの企業が甚大な被害を受けました。

中小企業が台風被害に遭うと、操業停止による売上減少や設備の損壊による修繕費用など、経営を圧迫する深刻な事態にさらされてしまします。しかし、こうした事態に備えて、また被災後に活用できる支援制度が用意されています。

事前対策としては、止水板設置に対する補助金制度を活用することで、浸水被害のリスクを軽減できます。また、万が一被災した場合には、経済産業省の「被災中小企業支援措置」※を通じて、資金繰り支援や税制面での優遇措置を受けることが可能です。

台風シーズンの今に、自社が利用できる支援制度を把握し、必要な準備を進めておくことが重要です。早めの対策と制度の理解が、企業の事業継続を守る鍵となります。

 

(※令和7年台風第22号に伴う災害に関して被災中小企業・小規模事業者支援措置を行いますhttps://www.meti.go.jp/press/2025/10/20251009003/20251009003.html)

 

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