コラム
集中豪雨が増える中、建物の浸水対策として「止水板」を導入するケースが増えています。特に地下施設や商業ビル、倉庫、マンションのエントランスなどでは、短時間の水位上昇でも被害が大きくなるため、早めの対策が欠かせません。本記事では、止水板の役割、関連するJIS規格、選定時に確認すべき性能を整理して紹介します。
止水板とは、建物の出入口などに取り付け、外部からの浸水を防ぐための防水設備です。
アルミニウム合金、ステンレス、FRPなどの材料が使われ、脱着式・スライド式・常設式など、現場に合わせたさまざまな方式があります。
止水板そのものを直接規定する「専用のJIS規格」はありません。しかし、止水性能や耐久性を確保するために、材料や部品に関係する複数のJISが参照されることが一般的です。ここでは止水性能・材質に関する規格を紹介します。
| 区分 | 規格番号 | 内容 |
| 浸水防止用設備建具型構成部材 | JIS A 4716 | 主に左記規格内の「漏水量による等級」を参照している。Ws-1~Ws-6まであり6が最高等級。 |
| アルミ材 | JIS H 4100 | アルミ押出材の機械的性能や品質基準。 |
| ステンレス材 | JIS G 4304 / 4305 | ステンレス鋼板・鋼帯の規格。強度・耐食性の基準。 |
また、国交省や自治体が定めた「止水板性能試験方法」が実質的な評価基準として用いられています。
特に浸水対策を求める建築物では、これらの試験(自社試験または第三者機関による)をクリアした製品が推奨される傾向にあります。
当社では、自社試験研究センター内に大型水槽を備え止水試験や品質の向上のため日々テストを行っている。一般向けに設備の公開もしているため、興味のある方は一度弊社までお問い合わせください。
止水板は“防ぐべき水の量”や“設置環境”によって選定基準が変わります。ここでは基本となる性能を整理します。
水圧をかけてどれくらいの水が漏れるかを測定します。
自治体の基準では「一定水位での漏水量が許容範囲内であること」が求められます。
良質な製品ほど、実際の浸水条件より厳しい試験をクリアしています。
大量の水が押し寄せると、止水板本体がたわんだり、固定金具が外れたりする危険があります。
アルミ厚み、補強リブ、固定金具の強度、フレーム構造などが大きく影響します。
屋外保管が多いため、腐食しにくい金属、紫外線に強い樹脂、劣化しにくいパッキン材の使用が欠かせません。
緊急時に短時間で設置できるかどうかは実用上とても重要です。
ワンタッチロック方式、軽量材の採用などは実務上の“使いやすさ”を大きく左右します。
パッキン交換がしやすいこと、フレームの掃除がしやすいこと、保管ケースが劣化しにくいことなどが長期運用のポイントです。
① フレーム周囲のゴミを清掃
② 止水板を差し込む/はめ込む
③ 固定レバーまたはロックで密着させる
④ パッキンが均一に密着しているか確認
止水板を導入する際は、止水性能や強度だけでなく、材料のJIS規格や自治体の試験基準を満たしているかどうかを必ず確認する必要があります。
また、いざという時に確実に機能させるため、日頃の点検と保管方法も大切です。
近年の気候変動を考えると、止水板は「いつか使うかもしれない設備」ではなく、建物を守るための“必要な備え”と言えるでしょう。
当社製品のウォーターシャッターは、自社試験で止水性能Ws-6をクリアする製品であり、とても軽量なパネルで設置しやすさを追求しております。重要なロック機構も水平垂直のダブルロックを採用しており漏水を許しません。止水パッキンはEPDMゴムを採用しており対候性や耐熱性に優れたゴムを使用することで、長寿命を実現しています。
試験研究センターの見学や製品についてお問い合わせの方は是非当社HPより問い合わせください。

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